臨床心理士の分野
◆臨床心理士の国家資格の法制化をすべきかが討論されています。臨床心理士とは、臨床心理学の知識や技術を用いて心に関する問題を取り扱う「心の専門家」をいいます。臨床心理士の需要はとても高く様々な領域で活躍をしています。たとえば、教育(教育センターなど)、医療・保健(リハビリテーションなど)、福祉(高齢者福祉施設など)、司法(刑務所など)、開業(カウンセリングセンターなど)、産業(企業内の健康相談室など)などの領域で働いています。
◆現在、臨床心理士としての資格を得るには文部科学省認可の財団法人日本臨床心理士資格認定協会が行う「臨床心理士資格試験」に合格する必要があります。そして受験するためには指定の大学院(第一種指定大学院)の修了や、指定の大学院(第二種指定大学院)の修了後1年以上の心理臨床経験がある人など、かなり難しい受験資格が必要な民間資格なのです。臨床心理士資格の試験合格率は、例年6、7割といったところです。
◆この日本臨床心理士資格認定協会が臨床心理士の民間資格から国家資格化に向けて、現在働きかけています。臨床心理士資格が国家資格となると国民の生活に重大な影響がある職種に対して国の責任で認定を厳格に行うこととなります。そうなると、資質の高い心の専門家である臨床心理士の養成と確保ができ、国民の期待により一層応えることができると考えられるからです。また、臨床心理士の地位を向上させることになるからです。
◆しかし、臨床心理士資格の国家資格への法制化は難航しています。まず問題なのは、監督官庁をどこにするかです。臨床心理士は医療も教育も司法などさまざまな分野で活躍しているので、複数の官庁の領域に渡るのです。よって監督官庁を決めるのが大変むずかしいのです。また、臨床心理士が国家資格になった場合に、既存の臨床心理士資格保有者を再受験させるのか、もしくは国家資格保有者扱いにするのかの問題もあります。さらに、臨床心理士側の国家資格になった場合の地位の向上の要求が、医師との権限分配に混乱が生じるのではと問題となっています。